「城」

恋の罪』観に行った。


時間帯によるのかもしれないが、男一人で観に来ているのが意外にも多かった。

女は…
文学好きの乙女ちゃんか
メンへラー?

美津子は「城」に辿り着けず周りをぐるぐる回っているだけで終わった。
いずみは「城」を見つけたと思ったが、その「城」は幻想であったと気づいた途端に崩れ落ち、また新たな「城」を求めてぐるぐると回り出す。
結局「城」には辿り着けない。
わたしも同じだ。
「城」が何かすらわからず、ぐるぐると逡巡を繰り返すだけ。そうやっているうちに人生が終わる。
大抵の人間の「城」は幻想だ。幻想に気づかず、それが真理だと思い込んでいるだけ。
わたしも「城」には辿り着けない。無駄だとわかっていることを忘れて繰り返している。ほんの一時の忘却のために。